10月30日、小規模事業者持続化補助金の第3回締切分の採択結果が公表され、
関係者に衝撃が走りました。
コロナ特別対応型については、前回までの採択率は8割超えであったのに対し、
今回公表された第3回の採択率は33.9%まで激減したためです。
持続化補助金の採択結果については単純な数字しか公表されないため、
このような採択率の激減に至った正確な理由は不明ですが、
今回は採択率が減少した要因を検証していきます。
第1回~第3回までの申請件数や採択数、採択率の推移
まずは持続化補助金(コロナ特別対応型)のうち、
第1回~第3回までの申請件数や採択数、採択率をまとめてみました。
コロナ特別枠 | 申請件数 | 採択数 | 採択率 |
第1回 | 6,744件 | 5,503件 | 81.5% |
第2回 | 24,380件 | 19,833件 | 81.3% |
第3回 | 37,302件 | 12,644件 | 33.8% |
これらの数字を見ると、申請件数は右肩上がりで増加していることがわかります。
一般的に申請件数の増加すれば採択率が減少することは珍しくはないのですが、
8割を超えていたものが3割程度まで激減することは通常では考えにくいことでしょう。
したがって今回の採択率の大幅な減少には
何らかの要因が潜んでいることは間違いないと考えられます。
考えられる要因①:審査基準の厳正化
まず考えられる要因のひとつめは「審査基準が厳しくなった」ことです。
一般的に補助金の世界では「早い者勝ち」の傾向が強く、
採択率は回数を重ねるごとに減少する傾向があります。
これは回を重ねるごとに申請者側のノウハウが蓄積される一方で、
制度自体が浸透していく中で申請者が増加し、
審査する側の基準もだんだんと引き上げられることが想定されるためです。
ポイント
特に下記の「要因③」で挙げたように、
商工会議所等の事前チェックが任意となったことで不正申請の増加が予想され、
そのことが余計に審査を厳しくしているのではないかと思います。
また審査基準については国の予算の都合も影響することが考えられます。
すでにコロナ特別対応型については第5回まで実施されることが決定しており、
申請件数が増加する中で高い採択率を維持し続けることが難しいという
予算的な制約もあるのかもしれませんね。
考えられる要因②:事業内容で採択結果が別れる傾向に?
今回の採択結果の公表を受けて、Twitterの情報を見ていると、
これまでの第1~2回目で採択されていた太陽光発電事業の遠隔操作等は
今回不採択となっているようです。
また採択者一覧を見ていると、
飲食業をはじめとする「BtoCビジネス」の件数が多いことが伺えます。
ただこれに関しては不採択者も含めた申請件数全体に占める
「BtoCビジネス」の割合が不明であるため、あくまで印象ベースのお話になります。
しかし太陽光発電事業の不採択化の情報を見ても、
ココがポイント
たとえ補助金申請の要件を満たしていたとしても、
コロナ禍で本当に必要であると考えられる事業以外のものについては不採択とする
という傾向がより強まってきているのではないかと思います。
考えられる要因③:様式3が任意書類に ⇒ 商工会議所ノーチェックで申請
そして私が大きな要因として考えているのが、
様式3の「認定機関確認書」が任意提出書類となったことです。
ココがポイント
この「認定機関確認書」とは、
商工会議所等に申請書類の事前チェックを受けることで発行される書類です。
第2回までは、この「認定機関確認書」の提出が必須となっていたため、
申請者は必ず商工会議所等のチェックを事前に受けておく必要があったのですが、
これが第3回目から任意書類となったことによって、
第三者のチェックを受けることなく直接申請が可能となったのです。
これにより、
- 制度の内容も把握せず、ダメ元で作られた申請書
- 補助金ノウハウのないホームページ制作業者などが作成した申請書
- そもそも提出書類に不備がある申請書
というような、これまでであれば商工会議所等の事前チェックで除外された申請書が
今回の申請件数の分母に含まれていることは確実と言えます。
したがって任意書類となった後でも、
さらに詳しく
商工会議所等のチェックを受け、「認定機関確認書」を入手することは
最低限の不備を無くすという意味でも大きな価値があると言えるでしょう。
また採択率が下がっているからこそ、
商工会議所等の事前チェックを受けて助言をもらうことが
経営計画書のブラッシュアップにつながるはずです。
今回不採択の方は第5回(12/10締切)がラストチャンス!
今回残念ながら不採択となってしまった方については、
12月10日締切りである第5回目の申請にはまだ間に合うため、
ラストチャンスが残されています。
補助金の場合には不採択の理由が公表されないため、
自分の申請書の何がいけなかったのか判断することは難しいですが、
外部の専門家や商工会議所等のアドバイスを受けることも有用かと思います。
第3回の反省点を活かし、経営計画書を見直すことも可能ですので、
申請を行う方はぜひ12月10日に向けて取り組まれてはいかがでしょうか?
最後に
今回は第3回小規模事業者持続化補助金の採択率激減を受けて、
その要因について検証していきました。
ここまで大きく採択率を下げたからには
その理由についてもコメントとして公表してもらいたいものですが、
今回私が掲げたものがどれかひとつではなく、
それぞれが複合的に影響しているのではないかと思います。
今後の採択率がどのように変動するかわかりませんが、
第5回の申請を行う方は
これまで以上に申請書類をレベルアップさせていく必要がありそうです。
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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