- 年商10億円企業
- 私はこれで月収100万円達成しました
インターネットやSNSを見ていると、このような情報を目にします。
しかし私はあまり年商や月収といった数字はあてにしていません。
むしろ年商や月収をまるで儲かっている根拠のように謳っているものを見ると、
途端に胡散臭く感じてしまいます。
今回は私が年商や月収といった表現をあまり参考にしない理由をお話しします。
『年商』と『利益の大きさ』はイコールではない
年商や月収といった売上は様々な場面で指標のように扱われますが、
ときには自社の目標としても使用されますよね。
以前のブログでも記載した通り、私自身も売上目標を掲げていました。
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【お知らせ】年末が近づいてきたので、事務所の損益予測をしてみました
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このように売上の数字を自社の目標値として掲げることは有意義だと思います。
さらに詳しく
なぜなら自社の利益構造を理解した上での売上目標であり、
「自社の場合、売上がいくらに到達すると利益がどれほど残るのか」
という利益感覚が少なからず身についているためです。
しかし他者が行う事業の良し悪しを売上のみで判断することはできません。
年商では「収益性」、「効率性」、「安全性」を判断することはできない
当たり前の話ですが、
「売上の大きさ」と「利益の大きさ」はイコールではありません。
私も年商が億単位の企業をいくつも見てきましたが、
しっかり利益が計上されている会社もあれば、
経常的に赤字体質となってしまっている会社もありました。
売上の大小だけでは、
- 十分な利益率が確保できているか(コスト体質になっていないか)
- 資金繰りには問題がないか
- 借入金の額は過大になっていないか
といった判断を行うことはできないのです。
極端な例で言えば、
参考
- 年商 1億円の会社で、利益が300万円の法人
- 年商500万円の会社で、利益が300万円の法人
であれば、2の年商が少なくても同じ利益を獲得している法人の方が、
収益性は高いということになります。
(もちろん利益率だけでも事業の優劣を判断することはできませんが。)
ココがダメ
したがって利益すらわからない年商や月収といった表現だけでは、
事業内容を分析する上での必要な情報を読み取ることはできないのです。
年商から推察できるのは”事業規模”のみ
一方で年商では何もわからない、無価値であるというわけではありません。
年商によって、その会社の事業規模の大小を推し量ることはできます。
同じような基準としては従業員数や資本金額といったものがありますが、
これらの数字が大きければ、その会社がどれほどの規模で事業を営んでいるのかを
複合的に判断する上での参考となるでしょう。
しかしそれもあくまで事業内容がわかっていて初めて規模の大小が想像できるのであり、
「単価100円の商品を販売する会社」と「単価5,000万円の不動産を販売する会社」では
年商1億円の意味が大きく変わってしまいます。
ポイント
したがって年商や資本金、従業員数などの各数値を単独で判断基準とするのではなく、
ひとつの参考指標に留めるべきだと思っています。
『月収××円』など、コストが見えない事業への誘いには注意
SNSやオンラインサービスなどでよく目にする謳い文句として、
「私はこれで月収100万円達成しました!」というような表現ですが、
これを鵜呑みにしないように気をつけてください。
これまでお伝えした通り、
このような収入だけの表現では以下の必要な情報は全く読み取ることができないからです。
- その月収を得るために必要な金銭的・時間的コストは?
- その月収はどのように算出されたものなのか?
(平均月収か最高月収か、では全く意味が違う。) - なぜそのノウハウを見ず知らずの他人に提供しようとするのか
そのような営業手法の中には悪徳商法も含まれているでしょうから、
事業の全容や利益を上げるための仕組みがわからないものについては
安易に手を出さないのが鉄則だと思います。
自分が理解できていないものに手を出すことほど怖いものはないですからね。
こういった営業にはくれぐれもご注意ください。
最後に
今回は年商や月収の表現では判断できない要素についてお話ししました。
自己資本比率や回転率など、決算書を用いた指標でも単独では利用せず、
いくつかの指標から総合的に分析することが一般的です。
したがって売上というほんのわずかの情報を過信することは
非常にリスクの大きい行為なので、ぜひご注意ください。
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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