こんにちは、名古屋生まれの税理士 服部でございます。
毎日寒い日が続きますね~。
ちなみに私は冬になると毎年何かしらの防寒具を紛失します。
今年の冬もまだ始まったばかりですが、 今冬着用1日目で手袋と耳当てをなくしました。
亡くしました・・・。
まあきっと神様が買換え時だと教えてくれたのでしょう。
さて、気を取り直して(?)今日は私が先日参加したセミナー(勉強会?)についてお話ししたいと思います。
セミナーの概要
私が参加しているセミナーは、よくある単発で開催される形式のものではなく、4月~翌3月の1年間に渡り開催される勉強会形式のものです。
講師を務めて下さるのは、資産税(相続税や贈与税、財産評価実務諸々のことをいいます)に関して全国的にも著名な先生であり、その先生の講義を聞くために文字通り全国から税理士が集まります。
私自身もその税理士の一人であり、当該セミナーが東京と大阪のみの開催であるため、ほぼ毎月名古屋から大阪に出張し、貴重なお話を聞かせて頂いています。
講師の先生の知識は非常に幅広く、資産税をはじめとする税務は勿論のこと、いわゆる雑学的な知識に関しても「この人が知らないものはないんじゃないか」と思うほど博学な方であり、専門的で難解な内容でも聞き手を飽きさせない話術をお持ちであるため、私自身非常に尊敬の眼差しを(勝手に)送っております。
資産税(相続税)の難しさ
セミナーを受講する中で非常に印象に残っている言葉があります。
それは
「資産税を扱う税理士はその材料を自分で用意しなければならない」
…これだけ言われてもわけわかめですよね。
一般的に多くの税理士が扱う法人の決算や個人の確定申告と比べてみます。
設立や開業して一回目の決算や確定申告であれば、右も左もわからずにオロオロしてしまうのが当然だと思いますが、これらの申告は基本的には毎年決まった時期に必ず行います。
したがって何度も経験するうちに、顧問税理士に対して何を提出すればいいのか、どんなことに気を付ければいいのか等、納税者の方も勝手がわかってくるものです。
つまり顧問税理士の立場からすると、長年お付き合いをさせて頂いている顧問先からは自動的に必要書類や情報という名の材料を用意してもらえるということになります。
私の勤務先の税理士法人でも、数十年に渡って関与が続いているお客様の場合、毎年決算の時期になれば必要書類のリストをお渡ししなくても書類を揃えて下さる顧問先がいらっしゃいます。(ありがたや~)
このような業務であれば、税理士は顧問先から提供された材料を使って料理をすればいいのです。(無論、顧問先任せになってしまって税理士側が注意散漫になってしまってはいけないですが…。)
その一方で相続税をはじめとする資産税業務に関してはどうでしょうか?
基本的に相続は一生で数回しか関わりのないものです。
したがって馴染みのない相続税の申告が必要となった場合、税理士へ申告を依頼するために自分自身で何を用意したらいいのかわからない方がほとんどです。
実際のところ、「こんなものにまで相続税がかかるの?」とビックリするようなものにまで相続税の対象となることもあります。(美術品や車、趣味の模型作りまで、財産価値のあるものは基本的にすべて対象となります。)
相続税に関しては、納税者に悪意がなくても非常にモレが発生しやすい税金です。
納税者が予期していないからこそ、その部分は税理士がカバーしなければならないのです。
「このような趣味の方であればこういう財産をお持ちなのではないか」
「借入金があるということは相応の財産がなければおかしいのではないか」
資産税を扱う税理士としてあちこちに点在する様々なリスクをきちんと回収できるよう、自分自身の中で「もしかしたら」と気づくための知識や経験、見逃しを防ぐための仕組みづくりが必要不可欠となります。
適切な申告という名の美味しいごはんを作るためには、税理士自らが必要な食材調達を行わなければならないのです!
まとめ
これまでお話しした通り、資産税業務というのは予期せず発生するモレが非常に多く、扱うにはリスクの大きい税金と言えます。
だからこそ税理士としての手腕が試されるものであり、学ぶ価値の大きいものだと思っています。
私自身は、講師の先生や全国の相続専門税理士としてご活躍されている先生方に比べればまだまだぴよぴよのヒヨッコだと思いますが、
いつか鶏になりコケコッコーと鳴くかの如く、
周りに大声でひけらかすくらいの知識と経験を身につけたいと思います。
ぴよぴよ