てん(あなた)とてん(私)を結ぶ

せんブログ

開業準備

中小企業診断士 二次試験合格しました!

こんにちは!

名古屋の税理士かつ服部でございます。

タイトルの通り、中小企業診断士という国家資格の二次試験を無事突破しましたことをここにご報告いたします。(※ただしまだ今週末に口述試験という面接試験が残されております。)

え、そもそも中小企業診断士ってなに?って方も多くいらっしゃると思いますので、今回は診断士という資格やそれを目指すに至った経緯などをお伝えできればと思います。

中小企業診断士とは何か

社会人の方であれば一度や二度、耳にしたことがある方もいらっしゃることかと思いますが、具体的にどんな業務を行うのか、資格取得までにどのような道のりが待っているのかをご存知の方は少ないのではないでしょうか?

ということで、まだまだ謎に包まれているであろう中小企業診断士について、早速紐解いていきたいと思います。

どんな資格なの?

日本経済新聞による『ビジネスパーソンが新たに取得したい資格ランキング』1位に輝いたこともある資格であり、日本で唯一の経営コンサルタントの国家資格に位置付けられます。

診断士試験のプロセスは、

  • 一次試験
  • 二次試験【筆記(←今ココ!)・口述試験】
  • 実務補修・実務従事

の3段階に分かれます。

一次試験は毎年8月頃に実施されるマークシート形式の試験であり、「経済学」、「企業経営理論」、「財務会計」、「経営情報システム」など計7科目を受験し、全体で6割超(※1科目でも4割を下回っている場合は不可)の得点があれば晴れて合格、二次試験への切符を手にすることとなります。

ちなみに一次試験の合格率は年度によって上下しますが、概ね20%前後が多いかと思います。

二次試験はまず筆記試験が毎年10月に実施され、マークシート形式の一次試験とは異なり、実際の中小企業を想定した記述式の事例問題が計4題出題されます。(合格ラインは一次試験と同様全体で6割以上かつ事例ごとで4割未満なし)

合格率自体は一次試験同様20%前後ですが、そもそも二次試験に挑めるのは一次試験合格者のみであるため、同じくらいの合格率であったとしても、受験者のレベルは二次試験の方が当然高くなります。

それゆえ一般的には中小企業診断士試験の中で、この二次試験の筆記試験が最大の関門と言われています。

そして筆記試験を無事通過すると口述試験(面接試験)となりますが、こちらの試験の合格率は99~100%とほぼ全員が合格する試験であり、これまでのふるいにかける試験とは異なり、基本的には通過することが前提の試験と言えるでしょう。(私が落ちたらごめんなさい。)

そして最後に実際の企業に訪問する実務補修を通じ、実際の診断業務の現場を経験後、診断士登録を行うことが可能となります。

受験してみた感想

私が受験した本年度の一次試験の合格率は30.2%であり、例年に比べて大幅に易化したようです。(ラッキー!)

それに対して二次試験の合格率は18.3%ということで、例年通りか若干難化したのかなという印象です。

私の率直な感想としては、一次試験は易化したこともあり一定の手ごたえはあったのですが、二次試験はしんどかったです…(笑)

難易度としては税理士試験の方が高いはずですが、個人的には同じくらいキツかったという印象です。

その理由としては、

  • 一次試験後にピークアウトできない
  • 二次試験(筆記)は出たとこ勝負
  • 合格の効力が永続的でない

の3つなのかなと感じます。

まずピークアウトできない点ですが、一次試験の合否が8月中旬以降に発表されますが、それから10月の二次試験までは約2ヵ月程度しかなく、一次試験終了の解放感も束の間、すぐに自己採点し合格が見込めそうならば出来るだけ早く二次試験の準備を進めないといけないのです。

私は元来だらしない人間です。

試験後2ヵ月間くらいはダラダラふにゃふにゃしたいのです。

それができず、試験直前期のテンションを数ヵ月間維持することは想像以上にしんどかったです。

2つ目の出たとこ勝負説ですが、税理士試験の場合、記述を求められる理論問題は試験前までに一生懸命理論を暗記し、本試験では覚えた理論を書き殴る形式のものが多いです。(近年は暗記だけでは対応できないものもあるかと思いますが、それでも基本となるのは事前に暗記した理論だと思います。)

しかし診断士の二次試験は、実際の企業を想定した事例問題が4つ出題されます。

当然どのような企業かは毎年違いますし、それに対する設問構成も異なります。

つまり試験前の事前準備が難しいのです。

そして税理士試験の理論問題のように文字の大きさ次第で何文字でも書いてよい試験ではなく、「100字以内」といった字数制限もあるため、時間内で字数に気を配りながら文章を構成していく必要があるのです。

勿論過去問の傾向から設問に対する形式的な解法やアプローチがあるのでしょうが、

専門学校によってそのアプローチが違う上、過去問の模範解答も結構バラバラです。

つまり何を信じていいかわからなくなり、どんどん自信が失われていきました。(笑)

通学していた専門学校の練習問題でも最後の最後まで30点台を連発(※本試験での合格ラインは60点)し、自分には合わない試験だなと実感していました。

そして3つ目の合格の効力についてですが、例えば税理士試験では科目合格の効力は数年経過後に消えたりせず、永久に続きます。

しかし診断士試験の場合はそうではありません。

一次試験には科目合格制度がありますが、合格の効力は最長で2年しかありません。

つまり3年以内に7科目すべて合格しないと、初年度に合格した科目が復活します。(以降毎年復活し続ける無限ループ)

そして一次試験合格後の二次試験に関しては、合格のチャンスは最大で2回。

前述の通りそのうち1回は一次試験合格後の約2ヵ月後に早くも到来します。

つまりしっかりとした準備期間が与えられるのは2回目の二次試験のみであり、それに落ちると一次試験はゼロからやり直しです。

何という恐ろしい試験でしょうか??

自分の数年間の努力により乗り越えてきた関門が復活するなんて!!

そのようなプレッシャーにさらされるのも、この診断士試験の大きな特徴ではないでしょうか。

独立診断士はどんな仕事をしているの?

さてそのような診断士に合格した後も、独立せずに勤務先に留まってスキルを活かす診断士の方も数多くいらっしゃいます。

これは中小企業診断士という資格には独占業務がないことも大きく影響していると思います。

つまり診断士資格を持っていなければ行うことができない業務が存在しないのです。

ただし、それでも独立してご活躍されている中小企業診断士の方はたくさんいらっしゃるわけですが、そのような独立診断士がどのような業務を行っているかというと、大きくは以下に分類されるのではないかと思います。

  • 公的コンサルタント
  • 民間コンサルタント
  • 補助金申請業務
  • セミナー開催等

まず公的コンサルタントに関しては、中小企業に対する公的な支援機関の要請を受けて行われる専門家派遣であり、日当の形で支給を受けるものが多いかと思います。

民間コンサルタントに関しては上記の公的機関を通さずに、診断士自らが直接中小企業とコンサル契約を結び、様々な改善提案等を行っていくものとなります。

補助金申請業務に関しては、一定のノウハウが求められるものづくり補助金などの作成代行、セミナー活動は自らの知識のアウトプットするだけでなく、セミナーを通じて民間コンサルタント契約に結び付けるフックの役割も期待されます。

最終的には民間コンサルタント業務を受注することが大きな目標であるかと思いますが、そのための礎として公的業務やセミナーも並行して行っているケースが多いのではないでしょうか。

税理士業務との関連性

私は既に税理士登録していますが、今回診断士を受けたのは何も税理士の仕事が嫌になったからというわけではありません。(笑)

実は私だけでなく、中小企業診断士の資格取得を目指す(=ダブルライセンス)税理士というのは少なくないのです。

税理士とのダブルライセンスについて

なぜダブルライセンスを目指す税理士が多いのか、それは税理士業務の特性が関係しています。

私達税理士が顧問先に訪問してお話しする相手は、経理担当だけでなく経営者ともお話しします。

そのような経営者との接点が定期的に確保されている業務だからこそ、中小企業診断士資格を取得し、より幅広く顧問先をフォローしたいという志を持つ方が診断士資格を目指すのです!

私が目指すに至った経緯

私が診断士資格を目指した経緯も上記と同様で、毎月担当者として顧問先に訪問し業績のご報告をしていますが、その際に経営者の方々から色々なご質問や会社に関するお悩みも聞かせて頂きます。

会計や税務のことや社会保険など一般的なことであればこちらもお答えすることができますが、

「求人活動をしているが思うように応募が来ない」

「採用してみたがどの人も長続きしない」

「売上が伸びない」

「営業と製造部の連携が取れていない」

「社内のモチベーションが低い」

というようなお話を頂いたときに、「そうなんですねぇ…」と聞くことしかできない自分の不甲斐なさに嫌気が差したというのが率直な理由です。

過去しか見れない税理士ではなく、

「今後改善していくためにどうすればいいか」

というテーマに対し、税理士としての数字面でのご提案だけでなく、中小企業診断士として組織面や人事面といった幅広い分野から顧問先をサポートできれば、お客様にご満足頂けるのは勿論、私自身もよりやりがいを感じながら働けるのではないかと思います。

締めのひとこと

実は私が診断士試験を目指し始めた時点では独立のことなど考えてもいませんでした。

それが今回独立をすることとなったとき、このタイミングで挑戦し、合格できて本当に良かったなと思います。

独立後も税理士資格は勿論ですが、診断士の知識もドンドン役立てていきたいなと考えています。

最後に一つだけ自慢させてください。

今年の診断士試験ストレート合格の確率は…

30.2%(一次試験)×18.3%(二次試験)=約5.5%

狭き門突破したどー!!!(ドヤ顔)

ありがとうございました。


にほんブログ村

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

服部 大

2020年2月に名古屋で独立開業したギリギリ平成生まれのゆとり税理士/中小企業診断士です。 こちらのブログでは、私自身の事務所経営や日々の生活で感じたことを自由気ままに綴っていきます。

-開業準備
-, ,

error: Content is protected !!

Copyright© せんブログ , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.