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税理士のお仕事

「税理士がお客様から言われて理不尽に感じること」について考えてみる

以前に別記事でもお伝えしたとおり、私はTwitterもやっているのですが、

同業者の方々のつぶやきを見ていると、税務的な情報発信だけではなく、
中には「今日はこんなことがありました」という面白いツイートもあったりします。

(もちろん守秘義務には反しない程度のつぶやきです。)

ツイートを読むと、「あぁ~、めっちゃわかるわ~。。」と共感するものも多いのですが、

一方でよくよく考えてみると、
「税理士側の常識はお客様からすれば非常識なのかもしれないな」と感じる部分もあります。

今回はTwitterに投稿されていた同業者の先生方が発信されていた、
「税理士がお客様から言われた理不尽なコト」について、

税理士目線とお客様目線の双方から考えてみたいと思います。

『他の経営者仲間に聞いたら「経費で落とした」って言ってました!』

こちらについては私は誰かに言われたことはないのですが、
割と多くの税理士がお客様から言われた経験のある言葉のようです。

よくある会話の流れとしては、

お客様

先生、これは経費で落とせますか?

税理士

いやあ、これはお仕事とは関係ないからさすがに無理ですね。

お客様

ええ!でも友達の経営者に聞いたら「経費で落とせた」って言ってましたよ!

税理士

いやあ、そう言われましても…。(てか友達の経営者って誰やねん。)

きっとこんな感じでしょうかね。(笑)

税理士目線で考えると…?

どこまでが経費でどこからがプライベートな支出なのか、
これには明確な線引きがあるわけではありませんし、事業内容によっても変わってきます。

したがって家賃や光熱費、車、消耗品など、他の経営者には経費性があるようなものでも、
そのお客様では経費としては認められないケースも当然考えられるのです。

つまり税理士からすれば、誰かも知らない経営者が経費で落としていると言われても、
それが正当なものなのかどうかもわからないし、経費で落とせる根拠とはならないのです。

というかお客様がそのようなことを伝えたときに、税理士が、

税理士

へえー!そうなんですね!!
じゃあ経費で落としましょうか(^^)/

って受け入れたら不安に感じるような気がするのは私だけでしょうか…??

一方でお客様目線で考えてみると…?

納税者の中には、税法の世界が「OKかNGか」が白黒ハッキリしているものだと
思われている人も少なくないのではないでしょうか?

そのような誤解をされていると、

「周りで経費で落とした人がいる=誰でも経費で落とすことができる」

という考え方に繋がることも理解ができます。

あるいは以前別記事でもご紹介したように、

「確定申告書を受け取ってもらえた=税務署からお墨付きをもらえた」

と勘違いされている方も少なくありません。

【勘違いあるある】「確定申告書が税務署に受理された=OKをもらえた」は大間違いです!

続きを見る

なので税理士としては、お客様にこのようなことを言われたとしても、

お客様が上記のような誤解をしているならそれをお伝えした上で、
「なぜ経費で落とせないと考えるのか?」をきちんと説明する責任があると思います。

『税理士に頼めば税金が減ると思っていたのに、何で増えているんですか?』

個人事業主が行う確定申告については、法人に比べれば申告書も簡素であるため、
ご自身で作成されているケースも多いです。

しかしお仕事が忙しくなってきたことなどを理由に初めて税理士へ依頼すると、
自分で申告していた頃に比べて納税額が増えてしまうなんてことも。

そうなってしまえば、お客様からすれば

「税金が増えたじゃないか!
 何のために依頼したと思ってるんだ!!」

と文句のひとつも言いたいところではないでしょうか?

このようなお客様の心情はごもっともですが、
一方で税理士側の気持ちも痛いほどわかるものです。

税理士側の言い分

税理士に依頼して納税額が大きくなる要因として考えられるのは、
本来、経費で落とせないものを経費で落としていた」というものです。

(単純に売上が増えた、経費が少なかったなどの要因は除くものとします。)

ご自身で確定申告されている人の大半は、

  • 経費で落とせるものを落とせていないケース
  • 経費で落とせないものまで落としてしまっているケース

のいずれかに当てはまることがほとんどです。

そして納税額が増えてしまうということは、

本来であれば経費にできないものまで経費にしてしまっており、
税理士が介入したことによって経費から除かれることとなった

というカラクリなのだと思います。

経費で落としすぎのケースの多くは、
仕事とプライベートで共用するようなものによく見られます。

たとえば家賃や光熱費、携帯代、ガソリン代など、
プライベートでの使用分が一部でも含まれるなら、その分は経費から除かないといけません。

税理士側はこのような経費が税務調査でも狙われやすいことを知っているため、
「仕事で使っている割合のみ経費で落とす」という処理をせざるを得ないのです。

最初のヒアリング不足、説明不足であることは間違いない

税理士目線の考え方をお伝えしましたが、
だからといって「納税額が増えても仕方ない、税理士に非はない」とは限りません。

契約前のヒアリングの段階で納税者の確定申告書を確認し、
売上や経費をどのように集計しているのかをきちんとお尋ねしなければいけませんし、

もし今までの申告内容に誤りがあるなら、
正しく処理すると税金が増えるのか減るのか事前に伝える責任があるでしょう。

したがって何の事前説明もなしに、
「ふたを開けたらいきなり税金が増えていた」ということがあれば、

それは納税者のお怒りもごもっともなのではないかと思います。

最後に

今回はTwitterに書かれていた、税理士がお客様に言われた理不尽なことについて、
私が感じることを率直に書いてみました。

なかなか背景を知っているわけではないので、
税理士とお客様のどちらの言い分が正しいのかについては判断できませんが、

その一方で税理士として、
やはりお客様が納得できるような説明を心掛けることが必須であると感じますね。

それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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服部 大

服部 大

2020年2月に名古屋で独立開業したギリギリ平成生まれの税理士兼中小企業診断士です。 争いごとが苦手な、のんびり平和主義者です。 税務や補助金に関するトピックはもちろんのこと、ひとり税理士としての事務所経営の試行錯誤についても赤裸々に語っていきます!

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