別記事でもお伝えした通り、
小規模事業者持続化補助金のコロナ特別枠の採択率が80%超 ⇒ 33.9%へと激減しました。
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【持続化補助金】採択率が『81.3%⇒33.9%』へ激減した3つの要因とは?
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この採択率激減の要因はいくつかが複合的に作用していることが見込まれますが、
注意ポイント
一部のホームページ制作業者などによる経営計画書テンプレートの使い回しなど、
質の低い経営計画書が数多く提出されたことも影響していると考えられます。
補助金と聞くと国からのプレゼントのように感じるかもしれませんが、
それは大きな間違いです。
補助金を出す国からすれば、あなたの事業に対する「投資」なのです。
ココがポイント
したがって補助金を受けたいのであれば、
投資家である国を納得させる「経営計画書」を作成しなければなりません。
今回は経営計画書を作成する上で、
最低限抑えておかなければ不採択の可能性が極めて高くなる
重要なポイントを解説していきます。
国は補助金の回収が見込める『投資先』を選定している
まず第一に、補助金は善意で出されるものではなく、
国は補助金を一種の投資と捉えていることは間違いありません。
つまり補助金として投資を行うからには、
- 利益拡大による税収の増加
- 地域経済の活性化
- 国際的な競争力アップ
など、何らかの形で事業者から回収することを期待しているのです。
つまり回収が見込めない、期待できない事業者に対しては
補助金を出すメリットがないと判断されてしまいます。
国からすればせっかく補助金を出してもよくわからないものに使われたり、
売上や利益の拡大に繋がらずに投資を回収できないなんてことは
最も避けたい事態と言えるでしょう。
したがって補助金申請を行う事業者は、
「私に投資してもらえれば、きちんと投資を回収できますよ」ということを伝え、
投資家である国を安心・納得させられるような経営計画書を用意しなければなりません。
経営計画は、あなたの”強み”を活かすものですか?
結論からお伝えすると、
経営計画書で最も重要なことは”自社の強み”です。
注意ポイント
つまり経営計画書に記載した今後取組んでいく内容が
”自社の強み”とは関係のない内容であれば、
申請が採択される可能性は一気に減少するでしょう。
先ほどお伝えした通り、
国からすれば計画段階で強みを活かせないプランに投資することは
リスクに他ならないからです。
したがって今後の方向性や具体的に取り組む内容については、
いずれも”自社の強み”を発揮できるものでなければ説得力は薄れます。
これまで培ってきた”自社の強み”を引き続き発揮できる計画だからこそ、
過去の実績も大きな根拠となり、
思い描く将来が決して絵に描いた餅ではないことが示されるのです。
経営計画書は「設問間のストーリー」を意識しましょう
実際に経営計画書を作成する際は、
設問ごとにぶつ切りに考えるのではなく、
計画書全体を”ひとつのストーリー”として文章を作成しましょう。
具体的には商工会議所ホームページ等に掲載されている
「記載例」の流れを参考にすると良いと思います。
上記記載例にある経営計画書の構成は以下の通りです。
- 事業概要
①自社の強み【内部分析】
②市場動向【外部環境分析(競合他社や顧客ニーズなど)】
③経営方針【①と②を踏まえた方向性】 - 新型コロナの影響【コロナ禍の外部環境の変化】
- 取り組む内容【外部環境の変化を踏まえた自社の対応】
①販路開拓等の取組
②コロナ対策の取組 - 取組みの効果【投資の効果】
これを噛み砕き、全体を一連のストーリーとして表現すると以下のようになります。
これまでの市場では”自社の強み”を活かして経営ができていた
(内部分析+外部環境分析)
⇒ところがコロナ禍で環境やお客さんのニーズが変わり、
これまでの強みが上手く発揮できない状態に陥った(外部環境の変化)
⇒コロナ禍でも強みを活かして売上を伸ばせるよう、テコ入れが必要
(販路拡大方法など、今後取り組む内容)
このような流れが最もベーシックなものではないかと思います。
つまりコロナ禍以前から元々強みが発揮できていない、
あるいは計画書ではそれを読み取ることができないような事業者は
国から見れば投資先として「不適格」という烙印を押されかねないのです。
こんな経営計画書には要注意!
では具体的にはどのような経営計画書がNGとなりやすいと予想されるのか、
ここでは具体例とともにご紹介いたします。
ホームページを作るだけで売上は伸びますか?
申請者へ十分なヒアリングを行わないような
ホームページ制作業者に経営計画書を丸投げした場合、
ホームページ制作が主な取組みとして経営計画書に記載されることになります。
しかし実際にはホームページの制作やオンラインサービスの導入だけで
売上が拡大していくことは想像しづらいものです。
ホームページなどの広告とコロナ禍に対応するインフラの導入は
並行して行うことで売上に繋がっていく場合が多く、
- コロナ禍で変化する顧客ニーズの把握
- オンラインサービスやECサイトなどの導入
- 顧客獲得のための広告宣伝
- 売上拡大へ
という流れを経ていくことが一般的ではないでしょうか?
このような一連の流れのうち、一部だけを切り取って書いてしまうと
説得力のない文章だと受け取られてしまいかねません。
強みと関係のない計画となっていませんか?
再三お伝えしている通り、自社の強みを無視してはいけません。
例えば飲食業で新たに宅配サービスを開始する場合において、
”自社の強み”を「接客対応」と記載していたら説得力はあるでしょうか?
確かに接客力があれば、
お店のファンであるお客さんが宅配サービスも利用してくれるかもしれませんが、
新規顧客の獲得にはなかなか活かせそうにありませんよね。
したがって宅配サービスを取組みとして掲げるのであれば、
やはり味や素材など、デリバリーでも提供できる価値を強みとして書くべきでしょう。
それに加えて接客力を強みとして書くことは全く問題ありません。
例えば宅配サービスで自社の味を覚えてもらった顧客に対し、
コロナが落ち着いた頃にお店に足を運んでもらって
質の高い接客対応を体験して頂くことでより一層ご愛顧頂く…
そんな文章であれば辻褄は合っていますよね。
別事業を始める計画であれば、やはり「強み」を根拠にすべき
「補助金がもらえるなら新しいビジネスを始めてみようかな」
と考える方も少なくないはずです。
しかし国からすれば、
新規事業は既存事業以上に補助対象として選びにくいと考えられます。
既存事業で培った強みを新規事業でも行かせるものであれば別ですが、
飲食業を行っている事業者が新たに太陽光売電事業に進出するなど、
強みが活かせず、全く関連のない事業へ進出する計画が
国から補助される可能性は自ずと低くなることでしょう。
新規事業への進出を計画として書くのであれば、
ココがポイント
その市場でのニーズは勿論のこと、
自身の強みをどう活かすことができるのかは必ず書くべきだと考えられます。
最後に
今回は持続化補助金の経営計画書について、
説得力のある文章を書く方法について解説しました。
ご紹介した内容は、「これさえ書けば大丈夫!」というよりも、
「最低限これが書けていないと採択される可能性は極めて低くなります」
という内容であり、採択されることを保証するものではありませんのでご了承ください。
いずれにしても、
経営計画書はしつこいくらいに”強み”を意識して作成することをお勧めします。
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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