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税理士のお仕事

【独立開業支援】税理士が独立開業前後にすべきこと5選

今年の税理士試験まであとわずかになりました。

受験生の方は、直前期でまさに勉強漬けの毎日を過ごしていることかと思います。

今年はコロナ禍の影響でなかなか勉強に集中できる環境ではなかったでしょうが、
そのような中、本試験に向けて懸命に努力されている方には本当に頭が下がる思いです。

さて、税理士試験を受験される方の中には、

いつか税理士として独立してやる

という高い志を持って勉強に励まれている人も大勢いらっしゃるでしょう。

そこで今回は、僭越ながらわずか半年だけ先に独立開業した立場として、

ココがポイント

開業前後でやっておくべきこと5選

についてまとめていきたいと思います。

お世話になった人へのご挨拶を済ませましょう

まずは主に退職前にすべきこととして、
独立前の勤務時代にお世話になった方々へしっかりとご挨拶をしておきましょう。

自分が担当していたお客様に対してしっかりと謝意を伝えることはもちろんですが、
それだけでなく、

  • 勤めていた事務所
  • 支えてくれている家族

に対しても同様です。

私自身は正直言って前の職場を綺麗な形で辞められたとは思いませんし(苦笑)、

一般的に税理士事務所では、

所長

  • ここまで育ててきたのに恩知らずだ!
    (職員は「いつまでも修業させてもらっている立場」と見なされがち。)
  • 顧客を持って行かれるかもしれない!

このような感情論や不安が入り交じり、退職時に揉めるケースは少なくないと思います。

しかしながら、その事務所で働いた期間が長ければ長いほど
色々な経験を積ませてもらったことは間違いないでしょうから、

不満はあっても、事務所に対する感謝の気持ちは最後まで持ち続けたいものです。

また独立開業する自分自身だけでなく、
これまで身近で支えてくれてきた配偶者や子、親などの家族にとっても、
独立後には生活環境が変わることになるでしょう。

したがって、

あらかじめ家族には独立開業に関する理解を得ることは必須です。

勤務先がのれん分けしてくれる事務所ではない限り、
独立後すぐに上手く軌道に乗っていけるケースの方が稀だと思います。

そのような厳しい状況において、
最も身近な家族からのサポートが得られないととても苦しいはず。

身近な人には苦しいときも応援してもらえるよう、しっかり話をしておきましょう。

必要な資金を把握しましょう

先に申し上げておきますが、
私自身はこの準備をせずに勢いで独立を決めてしまいました。(笑)

私の場合には

  • 誰も雇用せず、ひとり税理士として活動する
  • 自宅兼事務所で開業をする

この2点により、負担となる固定費をカットすることで事なきを得ましたが、
本来は開業資金として用意すべき金額についてはしっかりと検証しておくべきです。

私に言われるまでもなく、ふつうは考えますよね。(自虐)

一般的な税理士業務で必要な資金はざっと以下のようなものです。

  • 会計・税務ソフト代
  • パソコンなどの消耗品
  • 税理士会費
  • ホームページ作成費用(業者に依頼する場合)
  • 人件費(パートさんなどを雇用する場合)
  • 家賃(事務所を借りる場合)

私の場合にはホームページは自作なので、掛かった費用は主に上の3つのみでしたが、

ココに注意

それでも100万円以上は必要でした。

一般的には税理士事務所の開業資金としては
200万円程度が必要とされているそうですが、
この辺りも人件費や家賃のような固定費の有無で大きく変わります。

自分の場合にはどのような費用が必要となるのか
カットできる支出はないか

これらの点をしっかり考えて必要な開業資金を考えるようにしましょう。

開業費用を自己資金で賄えないときは、借入を行うこともひとつの選択肢となります。

事務所インフラの構築しましょう

先ほどの開業資金の話とも一部重複しますが、

通常の税理士業務を滞りなく行うためのインフラ整備を行う必要があります。

そこには資金的な面も考慮が必要ですが、時間的な部分も加味しなくてはなりません。

例えば電子申告を行うための電子証明書の発行には
数週間かかる場合があります。

そのため開業してすぐに申告期限が到来するような業務を持ってしまうと、
かなり業務スケジュールは切迫することになります。

私の場合は確定申告時期の真っ只中に開業したため、
申告期限までに電子申告が可能となるかかなり不安でした。

というよりもコロナ禍による申告期限の延長がなければ
間に合わなかったかもしれません。

電子申告だけでなく、月次業務や決算業務など、

ポイント

その業務の1~10までをすべてこなすためには何が必要なのか
しっかりと確認しましょう。

お客様納品用の備品等も含めると、揃えるべきものは決して少なくありません。

開業後すぐに税理士業務を始めようと考える場合には、

その業務をこなすためのインフラ整備にどれくらい時間がかかるのか、
しっかりと見越した上で受注するようにしましょう。

集客方法を検討しましょう

退職先の税理士事務所から充分にのれん分けをしてもらえる場合は別ですが、
一般的にはゼロまたは少ない顧客数で独立開業するケースが多いかと思います。

そのような場合には、当然何らかの方法で集客していくこととなりますが、
その具体的な集客方法も検討していかなければなりません。

集客方法は主に3パターンあると思います。

  • 対面型⇒異業種交流会や税理士会などを通じて交流を広める
  • ネット型⇒Youtubeやブログ発信
  • SNS型⇒Facebookやインスタグラム広告

一般的に税理士としての売上の基盤となるのは、
昔も今も変わらず「顧問契約」であることは間違いありません。

その中で、自分自身が主にターゲットとしていきたいのは

はてな

どのような業種で、どれくらいの規模の客層なのか

を考える必要があります。

そのターゲット層によって、行うべき宣伝活動も変わってくるはずです。

したがって集客方法を決定するためにまずターゲット層を考えていく必要があり、
そしてターゲット層を定めていくためには最初に以下のことをやらねばなりません。

どんなに狭くても良いので、
自分がNo.1になれる領域を見つけましょう

実はこのトピック、現状私自身も答えを出せずに彷徨っているのですが、

自分が一番になれるもの

これをいち早く見つけた人は、その後の事業戦略が非常にスムーズになります。

「一番になれるもの」は、何も総合力において全国で一位になれなくても構いません。

ココがポイント

市場を細分化し、
自分が一番になれる(将来なり得る)分野を見つければ良いのです。

「対象とする業種や税目」、「エリア」、「自分の特性」などを使って
以下のように範囲を狭めていきます。

例1:飲食業専門、名古屋市、30代若手税理士、クラウド会計
例2:資産税特化、全国、オンライン対応可能、低価格
例3:インターネットビジネス特化、名古屋市、オンライン対応可能、女性税理士

条件をいくつか設定して自分が一番になれる市場を定めることができれば、
あとはその条件に基づいて最も効果が得られるところへ宣伝活動を行うのです。

したがって自分自身が闘っていくフィールドが定まれば、

ポイント

  • 用いるべき広告媒体
  • 身につけるべき知識
  • 顧客へ遡及すべきサービス内容

こういった要素も必然的に絞られるため、
集客やスキルアップを考える際の柱となっていくことでしょう。

私自身もまさにそうなのですが、これから独立開業する方も

重要

自分が一番になれる領域を見つけることは、自らの軸を定めることに繋がります。
そして軸が定まることで、今後打つべき戦略も格段に決めやすくなるはずです。

これは税理士業界に限らず、どの業界でも同じことが言えるはずです。

個人事業主や中小企業は大企業と同じ戦略では太刀打ちできません。

そこで市場を細かく分解し、
自分自身が輝ける領域を定めることで生き残るための活路を見出すのです。

最後に

今回は税理士が独立開業前後にすべきこととして、5つのポイントに分けてお話ししました。

勿論、実際に開業してみて気づくこともたくさんあるのですが、
開業前の準備はしっかりと行うに越したことはありません。

私のように勢いで開業すると、
開業後に色々と肝を冷やす場面も出てくるでしょうから、
ぜひ反面教師にしていただければと思います。

それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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服部 大

2020年2月に名古屋で独立開業したギリギリ平成生まれのゆとり税理士/中小企業診断士です。 こちらのブログでは、私自身の事務所経営や日々の生活で感じたことを自由気ままに綴っていきます。

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