現在、コロナ禍で様々な事業者への支援策が講じられています。
令和3年度の目玉政策として『事業再構築補助金』の噂が立ち、
一攫千金を夢見て色めき出す経営者や代行業者も非常に多かったですが、
公表された要件の厳しさに当初の勢いが弱まりつつあります。
私自身、税理士業界で働いて9年が経ちましたが、
節税や補助金申請など、トクすることだけを目的とした意思決定は
上手くいかないケースがほとんどであるように感じます。
今回は経営者の判断力を惑わせる”おトクな制度”に対する考え方についてお話しします。
節税や補助金目的の意思決定は、経営者の足元をすくう
補助金申請を数多くサポートする中小企業診断士の先生は、
「もし補助金をもらえるなら○○をやりたい」
という考えを根本的に否定する方が多く、私自身も同意見です。
「補助金をもらえるならやりたい=自腹ならやらない」ということですから、
そもそも「本来はやる必要がない」からです。
補助金や助成金制度は基本的に補助率が100%であることはほとんどなく、
多少なりとも自己負担額が伴うものです。
はてな
「本来はやる必要がない」と考えていることに対し、
もし補助金が下りたとして、一生懸命に努力できるでしょうか?
中途半端に補助金を受け取って気が進まないことを始めるよりも、
その資金を本業に活用して伸ばしていく方が合理的だと思います。
節税や補助金は、
”正しい意思決定”を実現するサポート役に過ぎない
節税や補助金制度は「目的」ではなく「手段」に過ぎません。
とりあえずこれらは一旦横に置いておいて、
まっさらな状態で経営者としての意思決定を行うことが大切だと思います。
まずは正しいゴールや目標を設定することが何より大事。
ゴールを設定した上で、そこに至るまでの道筋を考えていきます。
その目的地へ向かう道中において、
「税金を安く抑える方法はないか」
「補助金を活用して自己負担を減らすことができないか」
と考えるのはもちろんアリだと思います。
ポイント
先ほどとの違いは、節税や補助金自体が「目的」ではなく、
あくまで「目的」に到達する可能性を高めるためのサポートという位置づけです。
経営者として目指すべきゴールを見失ってしまうと、
いくら税金や自己負担額が少なくなっても元も子もありません。
そういったこともあり、
節税や補助金ありきの考え方は危険だなと感じています。
まとめ
今回は節税や補助金制度によって陥る危険なマインドについてお話ししました。
ときには税負担が増えてでも選ぶべき選択肢はありますし、
目先の利益ばかりに意識が集中すれば判断を誤ることもあるでしょう。
そういった面においても、専門家として然るべきサポートをしていきたいものですね。
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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