副業OKの会社も増え始め、
休日などを利用して副業を始める方も増えつつあります。
これまでサラリーマンで確定申告をしたことのない人にとっては、
副業収入に対する税金に関して色々頭を悩ませるところではないでしょうか?
「副業を事業所得で申告して節税しよう!」
そんな情報があちこちで乱発していることからもわかる通り、
一般的に副業収入を事業所得で申告したいと考える人が後を絶ちません。
そんな中で生まれたのが、
「開業届さえきちんと提出すれば、事業所得で申告してOK」という大きな誤解なのです。
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【勘違いあるある】副業でも「開業届さえ出せば事業所得でOK」だと思っていませんか?
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はてな
それではなぜ副業を行う方々は
雑所得ではなく事業所得を選びたがるのでしょうか?
そこには事業所得に認められて、雑所得では認められない
税務上の違いが隠されているのです。
今回は雑所得と事業所得の違いについて解説していきます。
そもそもなぜ”事業所得”を選びたがるのか?
副業の場合に雑所得よりも事業所得が好まれる理由としては、
ズバリ「損益通算」と「青色申告」が可能となる点にあります。
損益通算とは?
さらに詳しく
損益通算とは、事業所得などで赤字が出た場合に、
その赤字を他の所得(給与所得など)と相殺することで全体の所得を減らし、
その分納める所得税や住民税を少なくできる制度です。
この損益通算については雑所得の赤字は認められないため、
雑所得ではなく事業所得として申告し、
その事業所得内で赤字を作って給与所得と相殺できれば節税になるわけですね。
![](https://senblo.xsrv.jp/wp-content/uploads/2020/11/図1-1024x585.png)
別の記事でもご紹介した通り、副業を行うと経費が使えるようになるため、
副業収入が多額でなければ、生活費の一部を経費として算入することで
赤字を作ることも不可能ではないのです。
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【サラリーマン必見!】生活費を副業経費にして節税しよう!!
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雑所得であれば赤字となっても損益通算により他の所得とは相殺できないため、
雑所得の赤字が大きくなっていくことのメリットはないのですが、
これを事業所得の赤字として申告してしまえば、
損益通算によって他の所得と相殺できるため、大きな節税効果が生まれるのです。
したがって副業を行う人の中には、副業収入を事業所得として申告することにより
「色々な経費を計上していくことで赤字を作り、
それを給与所得と相殺して所得税の還付を受けられる」
というスキームを実現しようと考えるのです。
(最後のチャプターでお話ししますが、
むやみやたらに事業所得として申告することは後々追徴税額が課されるなど、
大きなリスクがありますのでくれぐれもご注意ください。)
青色申告のメリットは?
損益通算と同様、
青色申告を行うためには雑所得ではなく事業所得等に該当する必要があります。
青色申告をすることによって、以下のようなメリットがあります。
- 最大65万円の特別控除が受けられる
- 損益通算しても相殺し切れない赤字は翌年以降3年間繰越ができる(繰越控除)
- 配偶者や生計一親族に給与を支払うことができる
- 貸倒引当金を計上できる
- 30万円未満であれば一度に経費計上できる
特に最大65万円の特別控除が受けられることや、
損益通算後の赤字をさらに3年間繰越できることは大きなメリットと言えるでしょう。
このような青色申告の恩恵に魅力を感じる人がたくさんいることは、
容易に想像できますよね。
【注意】副業の場合、事業所得は容易に選べるものではありません
ここまで事業所得とすることのメリットをお話ししてきましたが、
雑所得か事業所得かは納税者が自由に選択できるようなものではありません。
副業をする方にとっても、
これらの恩恵がある以上は事業所得を選びたいところですが、
給与収入という本業がある以上は一筋縄ではいかないのです。
事業所得のハードルの高さは別記事でも解説していますので、
ぜひこちらをご参考ください。
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副業収入を「雑所得」ではなく「事業所得」で確定申告するための基準とは?
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本当は事業所得の規模ではないにも関わらず、
税額を減らすために無理矢理事業所得として申告した場合、
ココに注意
税務調査によって過年度分からまとめて税額を徴収される可能性があります。
(さらに利息のようなペナルティまで余分に課されます。)
したがってむやみやたらに事業所得を選ばないようにご注意ください。
心配な方は税理士などの専門家にご相談頂くことをお勧めします。
最後に
今回は事業所得のメリットについて解説していきました。
最後にお伝えした通り、
事業所得の方がお得だからと言って
誰しもが自由に選択できるものではありません。
事業所得に該当するかどうか慎重に検証し、
自らの判断に自信を持って申告できるように準備を整えましょう。
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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