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【ダーウィンの進化論】”コロナ禍”という環境変化に対する適応力が問われている

ダーウィンが残した名言のひとつとして、

生き残ることができるのは「最も強いもの」ではなく、「最も賢いもの」でもない。
唯一生き残ることができるのは「変化できるもの」である。

という言葉があります。

実のところ、この言葉はダーウィンが言ったのではなく、
1960年代にアメリカの経営学者メギンソンという方が、
ダーウィンの進化論の解釈として論文に掲載したもののようです。

しかしダーウィンの進化論に基づくこのような考え方は、
現代においても政治や文化など様々な場面で流用されています。

そしてコロナ禍の現在においても、
この言葉の的確さを感じることができるのではないかと思います。

「環境の変化に合わせて、自らを進化させた個体が
生き残ることができる」というニュアンスは誤用

先ほどの言葉は誰もが一度は耳にしたことがあるような有名な一節ですが、
正しい意味で使われているケースは非常に少ないのです。

ダーウィンの進化論では、多様性を持つ集団の中で何らかの環境変化が起こった場合、
たまたまその変化に有利な特徴を持った個体が生き残ったという考え方に基づきます。

つまり環境変化に適用するという「目的」を持って意図的に進化したのではなく、
進化は単なる「結果」であり、「偶然の産物」に過ぎないという考え方なのです。

(流用されるときは、多くの場合が前者の意味で語られていますよね。)

たとえばキリンの首が長い理由を考えてみると、

少しでも高いところにある葉っぱを食べられるように、
先祖代々から少しずつ首が長くなるように進化を遂げ、現在の姿に行き着いたのではなく、

・首の長いもの、短いもの
・背の高いもの、低いもの
・舌が長いもの、短いもの
・脚の速いもの、遅いもの

など多種多様な特性を持つ個体が生まれる中で、
たまたま「首の長いもの」にとって有利な環境変化が起こり、
それ以外の個体が淘汰されていったという”結果論”のような考え方なのです。

コロナ禍という環境変化では、
明暗がくっきりと分かれる状況に…。

そして話を現代に戻すと、コロナ禍という経験したことのない変化が起こっています。

飲食業や観光業をはじめ、ライブハウスやイベント事業者など、
大打撃を受けている事業者も少なくありません。

しかしその一方で、コロナ禍という環境変化が有利に働いている業種もあります。

ステイホームによる「おうち時間」が増えたことにより、
ノートパソコンや家電製品への需要が伸び、
Amazonなどの利用による宅配業も増収増益へと繋がったことでしょう。

また同じ飲食店でも、店内飲食をメインとしていたのか、
テイクアウトや宅配をメインとしていたのかによって明暗が分かれる状況になっています。

コロナ禍の現状においては、
対面や接触型のサービスを提供する業種や業態は苦境に立たされ、
非対面やオンライン上でのサービスを提供する事業は伸びやすい傾向にあります。

しかしコロナ禍のような環境変化は誰も予測していたわけではないため、
ダーウィンの進化論に当てはめて表現するのであれば、

元々それぞれの事業者が行っていたビジネスモデルが
コロナ禍において有利に働いたのか不利に働いたのかという結果論に過ぎないのです。

一方で『環境変化に適応して進化する機会』が与えられている

一方で多くの中小企業や個人事業主の多くは、
コロナ禍という環境変化に対応する力を持ち合わせていると思います。

すでに感染リスクを減らすための工夫を凝らしたり、
オンラインなどの非対面型でのサービス提供を開始した事業者も多いです。

また国や自治体も、「事業再構築補助金」や「小規模事業者持続化補助金」など、
コロナ禍に適応するための費用を補助するための施策を打ち出しています。

したがってダーウィンの進化論のように、
突然起こった環境変化に適合しない個体だからといって淘汰されるのを待つのではなく、

変化に合わせて自らを進化させるための機会が与えられているのではないかと感じています。

そのためには、

  • 市場環境(顧客ニーズや競合他社など)がどのように変化しているのか
  • 今まで培った強みを活かせるのはどのような分野なのか

というような適応方法を考えていかなければなりません。

いくらキリンの祖先に環境変化へ適応する時間があったとしても、
「首を長くすれば良いんだ!」という正しい結論が見出せず、
間違った方向へ進化してしまっては意味がありません。

「環境変化への適応を目的とした進化」はダーウィンの進化論では誤用に当たりますが、
コロナ禍に直面している私たちにとっては然るべき解釈ではないでしょうか。

最後に

今回はダーウィンの進化論とコロナ禍について考えてみました。

変化を求められている事業者は本当にたくさん存在していると思いますし、
上手に変化できない場合には淘汰されてしまうケースも多いでしょう。

まさに「変化にどう対応するのか」が問われる時代を迎えています。

それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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服部 大

2020年2月に名古屋で独立開業したギリギリ平成生まれのゆとり税理士/中小企業診断士です。 こちらのブログでは、私自身の事務所経営や日々の生活で感じたことを自由気ままに綴っていきます。

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