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税理士のお仕事

【気になる噂を徹底検証!】”税理士は食えない資格”は本当なの?

税理士はオワコン

ここ数年でこんな言葉を目にすることが増えてきたように感じます。

私自身が税理士を目指し始めた約10年くらい前には
そのような話を聞いたことはありませんでしたが、

ここ最近はブログ記事やYoutubeでも
そのような話を度々目にすることがあります。

現在、税理士を志して勉強に励んでいる人からすると、
そのような情報を目にすることはお世辞にも気持ちの良いものではありませんが、

実際のところどうなんだろう?

というのは非常に気になるのではないでしょうか?

今回は食えない資格の当事者である私が、
税理士資格の将来性についてお話ししていきたいと思います。

【検証1】AIに仕事を奪われる!?

まず税理士が食えない仕事だと言われるようになった所以でもある、
AIに仕事を奪われる説から検証していくこととしましょう。

すでにクラウド会計が普及しつつあり、

お客様から領収書等を一式お預かりして、
税理士事務所のパートさんが会計ソフトへの入力作業を行うような
従来の 記帳代行という仕事が減少することは避けられないでしょう。

既存の税理士事務所からすると
確かに変化を求められるような時代となっていくことでしょうが、

はてな

そもそもこれから税理士を目指す人にとって、
他の人が使った領収書を一枚ずつ確認して会計ソフトへ黙々と打ち込んでいく
「記帳代行」はそもそもやりたい仕事なのでしょうか?

パートさんを雇って入力作業をしてもらっているのだとしたら、
その部分をAI化することでパートさんを他の業務に充てることも可能となります。

「AI化によって仕事を奪われる」と感じている事務所があるとすれば、

それは何らかの理由によって

昔ながらの記帳代行業務に固執し続けなければならない事務所だけではないか


と思います。

【検証2】平均年齢が60歳オーバーであることの意味

税理士業界は 非常に特異な世界だと言えます。

以下のグラフは税理士の年齢分布を表していますが、

ココがポイント

全体の半数以上を60歳以上が占めていることがわかります。

驚くべきことに80代の割合が20代と30代の合計とほぼ同じであり、
高齢の税理士先生の多さと若手の税理士の少なさが浮き彫りとなっています。

この高齢化の理由としては、

  • 若い世代の税理士志望者数の減少
  • 定年がない
  • 国税庁や税務署で23年間働くと税理士資格がもらえ、
    定年退職後に税理士事務所を開業するケースが多い

などが挙げられます。

このような年齢分布を見て何を感じるかは人それぞれですが、
私としては若手税理士にとっては非常にチャンスの大きい状況だと思います。

ココがポイント

若手が少ないということは競合相手も少ないことを意味しているのですから。

若い経営者は相談のしやすさや時代の流れに沿ったビジネスへの理解などの観点から、
自分と年齢の近い税理士を選ぶ傾向にあるはずです。

すると現在の税理士業界では選択肢はあまり多いとは言えないでしょう。

若いこと自体が差別化に繋がる業界なんて滅多にあるものではないと思います。

また60歳を超えて今もなお現役として働いている税理士もいずれは退任の時を迎えます。

60歳以上の割合が大きいということは、その世代が退任していく際には、
顧客が下の世代の税理士に流れていくことも当然考えられるでしょう。

【検証3】右肩下がりに減少する受験者数

  • 税理士が食えない資格だ
  • AIに仕事を奪われる

という情報が出回るようになってからというもの、
以下のグラフからも読み取れるように、

税理士試験の受験者数は年々減少の一途を辿っています。

2020年度については正式な受験者数が公表されておらず、
またコロナ禍の影響も大きいと考えられるためあまり参考にならないかもしれませんが、

受験申込者数は2019年度を下回っているようです。

ちなみに以下のグラフは、
令和元年度の受験者数と5科目合格者数を年齢別に表したものです。

いずれのグラフを見ても、
41歳以上の占める割合は3割を超えており、
36歳以上で見るとそれぞれで5割を超えていることがわかります。

ここに注意

このような指標から見ても、
20代~30代前半の税理士はますます減少傾向となっていくことが見込まれます。

この傾向がこれからも続いて行けば、

平均年齢が60歳を超えている税理士業界は、
今後ますます高齢化へと突き進んでいきかねません。

【検証4】独占業務と税法の”グレーゾーン”の存在

ではそろそろ核心に迫っていきたいと思います。

将来的に税理士が食える資格なのか食えない資格というお話ですが、

私は食えない資格、つまり価値のない資格となることはあり得ないと思っています。

その根拠としては大きく分けて2つあります。

①AIでは白黒つけられないモノがあまりにも多すぎる

こちらが税理士が食えない資格であることの最大の反証と言えます。

私自身、クラウド会計などのサービスを活用していますが、
利用者として感じることは、

注意ポイント

AIは知識を持つ人にとってはとても便利なサービスですが、
一方で知識を持たない方の会計や税務業務を代替してくれるものではない

ということです。

税理士業務を経験されたことのある方はおわかりでしょうが、
税法の世界では白黒ハッキリしたものの方が珍しいです。

ココがポイント

グレーゾーンが大きいからこそ専門家としての価値が高まるのであり、
それを個別の事例ごとにAIが対応することなどできるはずがありません。

現在のAIではネットバンキングやキャッシュレス決済の情報を読み取り、
自動で仕訳を起こすことはできますが、

計上、税務上問題がないかどうかは判断できません。

単純作業を自動化するという意味ではAIは素晴らしいツールと言えますが、

グレーゾーンの大きい業界において、
正誤判断はあくまで人間が行わなければならないのです。

これを会計や税務の知識を持たない方が自分で行うことは不可能です。
(インターネットなど、情報量の多いことがさらに正誤判断を難しくすることでしょう。)

AIによって仕訳を自動化したり、
申告書の作成を自動化することは可能でしょう。

しかしその処理のひとつひとつが正しいか、税務上問題は無いかどうかの判断は

AIではなく、納税者本人が行わなければなりません。

ポイント

対照的に専門的な知識を有する税理士にとっては、
単純作業を代替してくれるAIの存在は非常に大きな価値を持ち、
AIが行うことのできない部分を人間が補完する関係を作ることができるはずです。

したがって税理士はAIに仕事を奪われると考えるのではなく、

ココがポイント

税理士こそAIを最大限活用することによって、
単純作業はAIに任せ、自分は付加価値が高く、知識を必要とする業務に専念する

という働き方を実現できるのだと思っています。

➁税理士としての独占業務の価値

納税者ご本人にとってAIという存在が完全無欠ではない以上、

税理士に与えられている独占業務の価値が失われることはありません。

税理士という国家資格に認められる独占業務は以下の3つです。

  • 税務の代理
  • 税務署類の作成
  • 税務相談

AIでは処理しきれない、つまり単純作業以外の部分については、
人間の手によって行う必要があり、それは独占業務を持つ税理士の仕事なのです。

したがって単純作業を代行する税理士としての業務は必ず衰退していきますが、

AIでは処理できないような税法のグレーゾーンへの対応力を持つ税理士の価値は、
私たちが生きているうちに損なわれるようなことは絶対にないと思っています。

そもそも…「税理士=食えない」って言っている人は税理士なの?

発信している情報の信憑性として、

そもそも発信者が税理士なのか

という点には非常に興味があるところです。

私がブログやYoutubeでざっと見たところ、

「税理士=食えない資格」と発信している人のほとんどは税理士ではありませんでした。

税理士でもない人が税理士の将来を語ることに違和感満載なのですが、
税理士の受験生には信憑性の低い情報には耳を傾けないで頂きたいものです。

ちなみに税理士として働く多くの同業者は、

業務の内容は変化していくとしても税理士資格の価値は損なわれるものではない

という意見がほとんどでした。

どちらが正しくてどちらが間違いなのかは各々が考えればいいことですが、

どんなことでも自分で考えずに情報を鵜呑みにしてしまうことのリスクは
少なからずあるのだと思います。

【結論】税理士って若い人たちにはむしろ『ブルーオーシャン』では?

これまでの考察を踏まえ、私としての結論は、

これからの税理士業界は若い世代こそチャンスが大きい業界

だと思っています。

その根拠は以下の通りです。

  • AIでは代替できない業務が盛りだくさん
  • 平均年齢60歳オーバーの高齢化した業界
  • 若いこと自体に大きな価値がある
  • AIや最先端のテクノロジー、メディア媒体を駆使すればさらにGood
  • 未来の競争相手となる受験者数は年々減少

ざっと挙げただけでもプラスの要因に溢れていると思います。

ココがポイント

したがって若ければ若いほど、
税理士資格を取得する価値は高まっていくはずです。

勿論、資格を取れば安泰なんて甘いことを言うつもりはありませんが、
税理士業界のような偏った特徴を持つ業界も珍しいのではないかと思います。

若い世代という表現の中には一応私自身も含まれることになりますが、
私自身、現在や将来の税理士業界には希望を持っているのです。

最後に

今回は「税理士資格は食えない資格である」という意見について、
税理士の立場から考察してみました。

お伝えした通り、
これから先、税理士業界はAIによって変化がもたらされることでしょう。

しかし時代の流れとともに変化が求められることは
何も税理士業界に限ったことではなく、
むしろどの業界でも当たり前のことなのではないでしょうか?

他の業界と同様に、

変化にしっかりと対応できる税理士が生き残れる

ただそれだけの話だと思っています。

だからこそ時代の流れに柔軟な若い世代ほど
大きな価値を持つ資格なのではないかなと個人的には感じています。

それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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服部 大

2020年2月に名古屋で独立開業したギリギリ平成生まれのゆとり税理士/中小企業診断士です。 こちらのブログでは、私自身の事務所経営や日々の生活で感じたことを自由気ままに綴っていきます。

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