皆さんいかがお過ごしでしょうか。
税理士の服部大でございます。
年末年始の連休までもうひと踏ん張りですねー。
先週末は私たちの業界ではハラハラドキドキされていた方も多いのではないでしょうか?
そうです。
税理士試験の合格発表です。
科目合格者には郵送で合否の通知が届きますが、5科目合格した方は官報にフルネームで公示されるため誰でも見ることが出来ます。
税理士5科目合格の淡き思い出
私が税理士試験に合格したのは今から6年前。
私が24歳の頃でした。
現在の勤務先である税理士法人に就職して2年が経つ頃に5科目リーチの状態を迎えていました。
比較的合格率の安定したミニ税法であった上、 割と試験の手ごたえはあったため多少の自信はあったものの、何が起こるかわからないのが税理士試験。
そもそも絶対評価ではなく相対評価の試験制度の中で、もし私以外の受験生もみんな手ごたえがあればあまり意味のない世界です。
結果発表当日は平静を装いながら内心バックバクでした。
合格かどうかわからない以上、自分だけひっそりと合否を確認したい。
落ちていたら何事もなかったかのように
「あ、ダメでしたよ。まあそんな気がしてましたけどね。」
と気にしていない素振りをして仕事をしていたい。(実際は落胆のあまり手につかないでしょうけども)
しかし合格発表の日は職場全員に知れ渡っていますし、私が5科目リーチであることもバレバレ。
「俺が一番に合否を見てやる」と、なぜか私以上に闘争心を燃やす先輩方があれほど疎ましかった日はありません。
ハイエナ集団による強奪
官報公告の時間が近づくにつれ、必死で画面を更新しまくる私。
周囲のデスクから聞こえてくるクリック音すべてが手柄の横取りを狙うハイエナの足音のように聞こえます。
もし私の名前が官報になかった場合、彼らは慰めたりはしません。
傷ついた私を見捨て、何も見なかったかのように無言で仕事に戻っていくのです。
そんな奴ら(※先輩です)に負けるわけにはいかない。
その熱意が届いたのか、官報の画面がパッと開きます。
よし!自分の名前は自分で見つけるぞハイエナども!
そう意気込んだのですが、画面いっぱいに広がる合格者の名前。
あれ、見方がよくわからないぞこれ。
何か効率的な見方はないものかと考えていると、後ろから一匹のハイエナの声が・・・。
「官報見たよ。受かっとたし。」
と何故か不満そうに言われました。
何なんだキミは!
他人のハラハラドキドキを奪っておいてなぜ不満気なんだ!
ふざけんな!
と私は思わず大声で叫んだのです。(心の中で)
そのあと自分の名前が官報に載っているのを改めて確認しましたが、やはり何か違う。
受かったらどんなガッツポーズをしようか、
いやここはキャラを崩さず冷静に「あ、名前ありました。」くらいの方がいいか。
ってシミュレーションもしてたというのに。
結果だけぶっきらぼうに伝えられてから見るのでは「やったー!受かった!」という喜びの感情も半減してしまうのです。
許すまじハイエナ集団。
合格の喜びは一生に一度
そんなこんなで私の合格の喜びはハイエナ先輩( ※散々こき下ろしていますが、その先輩は普段は面倒見の良い尊敬する先輩です。 )に奪われてしまいましたが、それでも長年かけて取り組んできた税理士試験が終わったのかと思うと、喜びは勿論ですがホッとした気持ちが一番強かったです。
あーもう勉強しなくていいんだ!って思いました(笑)
今でこそ一生勉強を続けなければいけない仕事だと理解はしていますが、そのときは「もう一生勉強しなくていい、資格さえ取ればこっちのもんだ!」くらいに思っていたのでしょう。
でも試験に合格した時の気分は、実務での勉強では味わえないものがありますよね。
実務には実務の、学問には学問の良さがあると思います。
今年は中小企業診断士試験を受験して合格しましたが、やはり努力が報われる瞬間は何にも代えがたい経験となります。
締めのひとこと
受験生の皆様、本当に一年間お疲れ様でした。
受験に関しては一応先輩の私から僭越ながらお伝えしたいことは、
良い結果を得られた方もそうでない方も、1年勉強をした経験は絶対に無駄にはなりません。
思うような結果が出なくて落ち込んでいる方もいらっしゃるでしょうが、
何度でもやり直しが効くのが試験の良いところ。
今回ダメでも来年受かれば良いんです。
むしろ1年多く勉強したことで、今後税理士になったときにはあなたの得意分野になる可能性だって充分あります。
だから落ち込むのはせいぜい今年いっぱいまで。
新年からはしっかりと気持ちを切り替えて、諦めずに頑張りましょうね。
おしまい