仕入がない士業だと働けば働くほど儲かるから良いよね
という風に言われることが時々あります。
確かに仕入のようなものは無いためその通りなのですが、
だからと言って原価がないとは考えていません。
もし原価がない(=粗利率100%)のであれば、
どれだけ値下げをしてでも受注をすべきという考え方になるのでしょうが、
「値下げしないと受けられない仕事なら受けなくてもいっか」と私は思っています。
今回は税理士の原価や値下げの是非についてお話ししたいと思います。
資格取得にはお金も時間もかかる
仕入のない税理士業務と言っても仕事を進める上での工数は必ず発生しますので、
時間的コストは原価として考慮すべきものです。
しかしそれだけでなく、
自らが長い年月をかけて専門学校に通って取得した税理士資格は
税理士事務所を開業するための自分自身への先行投資であって、
資格取得のための費用や時間についても
一種の原価として考えることが正しいと思っています。
ものづくりの現場であれば、
新商品を開発するために掛かった設備費用(機械購入など)や
開発までの時間的コストを反映して売価を設定するのに、
情報やノウハウを扱う仕事となるとそれを無視してしまうのは変な話ですよね。
安易な安売りをするよりも、値段の枠で付加価値を高めることを意識したい
私のように独立開業直後の税理士の中には、
安さを売りにして営業をかけていく先生も一定数いらっしゃいます。
顧客がいなければ売上ゼロの状態なので、
値下げをしてでも顧問契約が欲しいというのは自然な考えだと思います。
しかし最初のうちはそれで良かったとしても、
安売りにより受注した業務で自分のキャパシティが埋めっていくに連れ、
「忙しいのに全然儲かっていない」
という状態になりかねないのではないかと思います。
私としては、安売りによってそのようなスパイラルへ陥るよりも、
適正な値段設定の中でどんな付加価値を付けられるだろう?
という考え方を大切にしたいと思っています。
「高い」と思われるということは、
サービス内容と値段が釣り合っていないということでしょうから、
そのときに値段を下げるのではなく、
サービスの質を高めることを重視していきたいところです。
スターバックスが値下げをしない理由
コーヒーの値段が割と高めなスターバックスは、値下げを行わないことでも有名です。
これは値下げをしてしまうとも切り詰めていく必要が生じ、
サービス自体の質の低下に繋がってしまうからです。
スターバックスでは
強気な価格設定をすることによってコーヒーや従業員の質を維持するとともに、
付加価値として特別な空間を提供することにも力を入れているのです。
私をスターバックスに例えるなどおこがましいにも程がありますが、
安易な値下げを行うよりも、
本来の料金でも「妥当」と思われるためには、
どんなサービスを提供すれば良いだろう?
ということを突き詰めていけるようになりたいと思っています。
値下げに走るよりもその方がポジティブでしょうし、
それによって私自身のレベルアップに繋がるなら一石二鳥ですよね。
税理士志望者にとって魅力的な業界とするために
別記事でもご紹介しましたが、税理士業界は高齢化が顕著であり、
「20~30代の登録者数」は80代とほぼ同率であるとの衝撃的なデータがあります。
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【気になる噂を徹底検証!】”税理士は食えない資格”は本当なの?
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また税理士試験の受験者数も年々減少していることから、
このままではより一層、超高齢化業界へと進んで行きかねません。
そういった現状を踏まえ、すでに税理士として開業した人間からすると、
税理士業界を魅力ある業界として残していく責任があるようにも感じます。
「税理士って薄利多売で全然儲からないオワコンなんだよ~」
と開業税理士が嘆いていたら、
それを聞いて「俺もやってみよう」と思う人間なんているはずもありません。
ひとりの開業税理士として、強がりとか空元気ではなく、
- 税理士になれたから開業という選択肢が生まれた
- 税理士事務所を開業できたからこんな楽しい仕事をできるようになった
- 税理士になれたから十分に生活できるほどに稼げるようになった
そんなことを胸を張って(※自慢はダメ!ゼッタイ!!)発信できるような
仕事をしていきたいなと思っています。
最後に
今回は税理士業の原価と料金についてお話ししました。
いずれも他の事務所批判などではなく、
私個人の方向性や考えを記載したものですのでご了承ください。
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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