昨日のブログ『【GoToイート】おトクにポイントを貯めるなら、割安なお店を利用しよう!』
では、10月から開始したGoToイートキャンペーンの概要についてお話ししました。
ビジネス・プライベートを問わないため、
外食を利用する機会の多い方にとっては大変使い勝手の良い制度と言えるでしょう。
GoToイートについては、
- プレミアム付き商品券の購入
- オンライン予約によるポイント付与
の2通りあるのですが、実は商品券は以前より悪用されることが多いのも事実です。
今日はGoToイートに関連して、
今後懸念される商品券を悪用する事例について解説していきます。
商品券と領収書のアヤシイ関係
GoToイートだけでなく、
商品券を悪用した租税回避行為は昔から存在しています。
その手口の多くは商品券と領収書の関係性によるものです。
一般的な商品券の購入~使用までの流れについては、
以下のGoToイートによるものと同じような手順となるはずです。
図のように事前に入手した商品券を、
飲食店やデパート、百貨店などで使用することが一般的ですよね。
ココに注意
さて領収書の問題が生じるのは、上図③の商品券を使用したタイミングです。
”現金払い or 商品券払い”が判別できない領収書が多数!
現金払いの際に領収書が発行されるのは当然ですが、
商品券で支払った場合にも全く同じ領収書が発行されるケースが大半なのです。
中には正確に「現金○○円」、「商品券××円」と記載して下さるお店もありますが、
多くの場合には商品券使用分も含めた総額のみ記載されています。
そうなると今回のGoToイートで言えば、
10,000円で商品券を購入し、12,500円分の食事券として利用できるため、
言い変えれば10,000円で12,500円の領収書が手に入る可能性があるのです。
ここに着目すれば、
差額の2,500円(=プレミアム部分)は架空経費として計上できてしまい、
脱税行為として悪用される恐れがあります。
したがって今回のGoToイートでも、
飲食店側には領収書発行時の注意喚起を行うなどの対策が必要ではないかと思います。
さらに大胆に”経費の二重計上”が行われる可能性も…
商品券ではより大胆な脱税手法も存在します。
商品券の多くは『贈答用』として古くから利用されてきました。
贈答用の場合には、商品券購入時に”交際費”として計上を行うこととなります。
しかし実際には贈答用ではなく、自分で使用した場合にはどうでしょう?
商品券の購入時と使用時でそれぞれ、
- 購入時 ⇒ 交際費:10,000円
- 使用時 ⇒ 交際費:12,500円
という処理が行われる可能性があります。
ココがダメ
こうすることによって10,000円の現金で22,500円分の領収書が手に入るため、
12,500円の経費水増しが行えてしまうのです。
この例では元手が1万円なので大した効果には思えないかもしれませんが、
これが数十倍の金額になれば水増しされる経費の額も多額になります。
このように商品券が経費水増しに悪用されることは当然税務署も把握しているため、
税務調査でも多額の商品券購入があれば当然怪しまれます。
正当な購入であれば、使途や配布先のリストを記録として残す等により、
あらぬ疑いを掛けられないように徹底しましょう。
社員自らが購入した商品券を使用し、会社で経費精算する可能性も…
ここまでは経営者による「経費水増し」についてお話ししましたが、
会社側が被害を受けるケースも考えられます。
それは社員が自分で商品券を購入・使用するケースです。
上述のとおり、10,000円の現金で12,500円の領収書が手に入るのであれば、
その領収書により会社で経費精算を行うことで、
2,500円の現金を余分に受け取ることができてしまいます。
つまり勤務先を通じて商品券のプレミアム分を換金される可能性があるのです。
ポイント使用の場合には領収書問題は発生しにくい
GoToイートでは商品券だけでなく、
オンライン予約によるポイント付与制度も設けられています。
一般的にはこちらの利用者の方が多いことが予想されますが、
ポイント利用の場合には商品券のような問題は生じないでしょう。
その理由は、発行される領収書にはポイント使用分は記載されないからです。
つまり1万円の食事に対して3千円のポイントを使用し、
残額の7千円を現金で支払った場合には、7千円分の領収書が発行されます。
したがって商品券に比べ、
経費の水増しなどにポイント制度が悪用されるリスクは少ないと考えられます。
最後に
今回はGoToイートなどでも考えられる、
商品券を悪用した「経費水増し」や「プレミアム分の換金」についてお話ししました。
正しく利用される方については
税務調査の際に疑われることがないように記録を残すことをお忘れなく!
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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