前回のブログでは、安定的に利益を計上している事業者の傾向として、
「自社の利益構造を把握していること」を挙げました。
-
税理士が感じる、「継続して利益を上げる経営者」の共通項
続きを見る
利益構造が全くわかっていないよりは、
ある程度理解していた方が良いのは当たり前なのですが、
具体的にはどのようなメリットがあるのか考えてみました。
今回は大きく分けて3つ、ご紹介していきたいと思います。
①自社の強みと弱みが理解できる
まず「利益構造の理解」というのは、
自社の粗利率が約何%で、毎月の販管費はどれくらいなのか
という程度で十分だと思います。
自社の利益構造をきちんと理解することの1つのメリットとしては、
自社の強みや弱みに気づきやすい点にあるのではないかと思います。
- 売上の割には人件費が大き過ぎる
- 粗利率が低いから、売上が増えても思うように利益が残らない
- 固定費が少なく、販管費もあまり掛からないから利益が出やすい
といったように、なぜそのような利益構造になっているのかを知れば、
自社の優れている部分だけでなく、改善すべき点も発見しやすくなり、
いち早く対処策を講じることも可能となります。
②適切な売価設定ができる
自身の商品やサービスを提供する際、
一体いくらのコストが掛かっているのかを把握せずに
売価設定をしてしまっているケースは少なくありません。
建設業や製造業を例に挙げてみても、
直接的に発生する材料費や外注費は考慮するにしても、
自分たちの人件費や家賃、光熱費、ガソリン代などの費用が
毎月どの程度発生しているのかを知らなければ売価に反映することができません。
したがってそのようなケースでは、適切な売価の設定が困難となり、
中には売れば売るほどマイナスが拡大してしまう事業者もいるのです。
反対に自社の利益構造がきちんと把握できていれば、
売上を上げるためにどの程度のコストが掛かるのかがイメージしやすいため、
きちんと利益を残すための売価設定が可能となるのです。
③環境の変化に素早く対応できる
中小企業や個人事業主の多くは目まぐるしく変化する環境に身を置いています
そのような環境変化は、いち早く対応をしなけば致命傷にもなりかねません。
- 売り先から値下げ交渉を受けた
- 材料費や輸送費が来月から値上げになってしまう
- 競合他社が値下げを行うようだ
市場競争ではこのようなことも珍しくはありませんし、
その都度、経営者は適切な意思決定を迫られることとなるのです。
その際には、自社の利益を守るための行動を考えなければなりません。
上記の例で言えば、
はてな
売価の値下げを行うのであれば、利益を維持するためにどこかを改善すべきなのか、
それとも値下げをしても十分な利益を維持することができると判断するのか
このような難問にも正しいジャッジを行わなければなりません。
そのような環境変化の局面において、
自社の利益構造を理解していることが適切な判断のための大きな助けとなるのです。
最後に
今回は利益構造を理解することによるメリットを3つ挙げてみました。
きっとまだまだたくさんあるのでしょうが、
今回お話しした3点でも十分すぎるほどのメリットではないかと思います。
会社の利益体質を作っていく上での必須事項であることは間違いありませんので、
ぜひ自社の利益構造と向き合ってみてください。
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
他の記事もお読み頂けたら嬉しいです。
あなたの1クリックが私のモチベーション
↓↓↓
にほんブログ村