年々普及率を高めているクラウド会計。
現在ではネットバンキングやクレジットカードはもちろんのこと、
請求書や給与計算システムなども展開・連携することによって、
まとめて導入することの利便性をますます高めていると言えるでしょう。
現時点では会計ソフト全体のうち、
クラウド会計のシェアとして約2割程度のようですが、
今後、キャッシュレス決済やテレワークが拡大していくことによって、
その勢いはさらに加速することとなりそうです。
そしてこのクラウド会計の普及によって、
税理士事務所の集客方法にも変化が生じてくるのではないか
と考えています。
従来の税理士事務所の集客方法
従来の税理士事務所での集客は、
金融機関や既存顧客からの紹介が主流となっています。
一般の顧問契約での業務としては、
- 顧問先が自社で会計ソフトへ入力する(=自計化)
- 税理士事務所が請求書や領収書をお預かりして入力を代行(=経理代行)
の2つのパターンに分かれます。
税理士事務所で会計ソフトへの入力をまるっと請け負う「経理代行」については、
顧問先が直接会計ソフトを触ることは無いため、顧問先からすると、
税理士事務所がどんな会計ソフトを使用しているかは
全くと言っていいほど関心がないものでしょう。
また自計化している場合については、
税理士事務所によって使用している会計ソフトが異なることも多いため、
税理士事務所を変更する際には、
自社で慣れ親しんだ会計ソフトも変更しなければならないことも少なくありません。
そういったところで税理士変更時にはストレスを感じる場合もあるとは思いますが、
ココがポイント
会計ソフトが独立しており、他のシステムとは連動していないのであれば、
変更による抵抗感は最小限に抑えていけるものだと思います。
クラウド会計が主流となった場合の集客方法
しかしクラウド会計の普及によって、
今までの流れは大きく変わることになるだろうと感じています。
クラウド会計の発展による変化は以下のようなものが挙げられます。
- 税理士に依頼する前の段階で、
経営者自身がすでにクラウド会計を利用しているケースが増える
(経理代行業務が激減する) - 会計や給与、請求事務など、複数のシステム同士が互いに連携しており、
会計ソフトの部分だけを切り抜いて他のソフトへ移行することができない
では上記2点について深堀りしてみたいと思います。
税理士へ依頼する前にクラウド会計を使用しているケースが増える
クラウド会計の利点は何と言っても 自動連携ですよね。
ネットバンキングやキャッシュレス決済だけでなく、
給与計算や請求業務とも自動連携しているため、仕訳を入力する必要が無くなります。
ポイント
したがってこれまで簿記の知識がなければ手も足も出なかった経理業務が、
専門知識がなくてもできる時代になりつつあるのです。
(勿論、知識があったに越したことはありませんが。)
これにより個人事業や中小企業の経営者として事業を立ち上げたときに、
クラウド会計を導入してとりあえず自分でやってみよう
と考える経営者が増えていくはずです。(肌感覚として確実に増えています。)
それらの経営者が税理士に依頼することを検討し始めるのは、
おそらく確定申告や決算、年末調整などの非日常業務を迎えたときでしょう。
つまりこのような背景によって、
ココがポイント
「経営者がすでにクラウド会計を利用している状況で税理士を探す」
という流れが主流となる
ことが予想されるのです。
会計以外の給与計算や請求システムも、まとめてクラウドサービスを利用するケースが増える
マネーフォワードやfreeeについてはすでに会計ソフトとしてのサービスだけでなく、
給与計算や請求事務を行うためのサービスを展開しています。
会計や給与計算、請求事務などの各業務でそれぞれのサービスを利用するよりも、
ここに注目
当然ひとつのクラウドサービスにまとめてしまった方が利便性が高まるため、
会計以外の業務にもマネーフォワードやfreeeを使用しているケースが多いはずです。
このような状況下において、
会計部分だけを切り離して他社の会計ソフトへ移行することは現実的ではないため、
元々経営者が使用しているクラウドサービスを変更させず、
そのまま対応できる税理士が喜ばれることはもはや必然ではないかと思います。
クラウド会計の発展により、「お客様が《条件に合った税理士》を検索する時代」へ
このような状況が主流になることによってどのような変化が生じるかというと、
「自分の使用するクラウド会計に対応してくれる税理士」をお客様側が探す時代
に突入していくものと考えています。
勿論、これまでもお客様が自ら税理士を探すことはあったのですが、
より細かな条件の下、税理士探しを行うことが予想されます。
例えば、すでにマネーフォワードやfreeeなどのクラウド会計の主要法人については
税理士検索ページを設けており、
それぞれのクラウド会計を導入している税理士事務所を、
エリアだけでなく、得意分野や特徴(若い、女性など)の条件で検索することができ、
自分に合った税理士事務所を探しやすく設計されています。
したがって税理士事務所としても、
注意ポイント
従来の「お客様が税理士事務所のスタイルに合わせていた時代」が終わり、
これからは「お客様に選んでもらうための工夫が求められる時代」へ
突入していくことでしょう。
多くの潜在顧客に選んでもらえる事務所となるためには、
まずは クラウド会計に対応していることが前提条件となっていくのだと思います。
このようにクラウド会計の普及に伴って、
税理士事務所としての「集客」は大きな転換点を迎えていくことになるはずです。
最後に
今回はクラウド会計の発展によりもたらされる変化について、
「集客」という側面にスポットを当ててお話ししました。
まだまだクラウド会計が主流と言えるほどの普及は見せていない現状ですが、
年々増加傾向にあることを考えるといずれはその時が訪れると思います。
税理士事務所としての対応力が問われる時代が
もう目の前まで迫ってきていると言っても過言ではありません。
こうした変化にしっかりと対応できる事務所が
きっと時代に関係なく成長し続けられるのでしょうね。
私も頑張らねばなりません。
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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