※2020年6月30日追記
雑所得や給与所得者のフリーランス向けの給付金制度については
2020年6月29日にて正式に受付開始しております。
制度の詳細につきましては、
『【持続化給付金】雑所得と給与所得のフリーランスも対象へ!そこには政府の思惑が見え隠れ…』にて解説させて頂いておりますので、是非そちらをご覧くださいませ。
皆さんこんにちは。
名古屋市昭和区の税理士、服部大です。
緊急事態宣言が解除されていなかった北海道や関東についても宣言の解除がなされました。
しかし北海道では政府があらかじめ発表していた解除の目安を
下回っていないにも関わらず解除が行われるとのこと。
目安とはいったい何なんでしょうね。
さて、すでに給付が開始している持続化給付金に関して続報をお伝えします。
給与所得や雑所得で申告しているフリーランスも給付対象に!
経済産業省は22日、新型コロナの影響を受ける中小企業や含む個人事業主向けの支援策
「持続化給付金」について、税の申告方法の違いで対象から外れていたフリーランスや、
今年創業した中小企業なども対象に加えると発表しました。
これにより、収入を雑所得や給与所得として申告していたフリーランスについても
給付金の申請が可能ということになります。
なお今年開業した方については、昨日のブログ『【持続化給付金】今年開業の方(私も含めて←これ重要)も対象となるかもしれません』をご参照ください。
5月1日に受付開始した際には「事業収入の半減」を要件としており、
個人事業主の場合、この事業収入は『事業所得』として申告したものに限られていました。
しかし個人で活動するフリーランスの中には事業所得ではなく、
雑所得や給与所得で申告するケースも多く、それらの人々へ給付金が支給されないことへの
疑問の声が挙がっていました。
つまり今回の制度拡充はそれらの声に応えた格好となるわけですね。
なお申請手続きについては6月中旬頃を目指しているようです。
具体的な必要書類についてはまだ詳細までは明らかとなってはいませんが、
業務委託契約書や源泉徴収票によって本業収入であることが証明できるものに
限られるようです。
フリーランスの給与所得なんてそもそもアリなのか?
ここで疑問なのは、そもそもフリーランスである個人事業主が
雑所得ならまだしも、なぜ給与所得として処理しているのでしょうか?
源泉徴収票を提出して本業収入であることを証明する、という流れも
正直よくわからないなあ…という印象です。
源泉徴収票を見て、どうやってそれが一般的なサラリーマンではなく
フリーランスであることが判別できるのでしょうか。
本来、フリーランスが受け取る報酬は給与ではないため、
そもそも給与所得として申告していること自体がおかしいのです。
悪意なく報酬の支払者が年末調整をしてしまうケースもあるのかもしれませんが、
中には事業所得や雑所得で申告するよりも給与所得として処理する方が
税金が安いから、社会保険に入れるからなどといった理由で
給与所得者のふりをしているケースもあります。
また消費税の問題もあります。
消費税が課税であるフリーランスとしての報酬を嫌がり、
不課税である給与として受け取っているケースも存在します。
そのように不当に税や社会保険を免れてきたような人が、
堂々と減収を理由に給付金の申請を行えば100万円貰えるというのは
国が営む制度としていかがなものでしょうか?
給与所得として処理していた方については過去の申告がそもそも誤りなので、
事業所得として修正申告書を提出し、過去の不足税額を精算してから
給付金の申請を行えるようにすることが筋なのではないかと思ってしまいます。
でないとこれまで事業所得として正直に申告し、納税もしてきた方々に対して、
あまりにも不公平ではないでしょうか?
もはやバラマキ制度?もらわなきゃ損の無法地帯になってくるかも…
今回の制度拡充について、先ほどお伝えした通り、
源泉徴収票からその実態がフリーランスか否かを見抜けるのかという疑問が残ります。
また業務委託契約自体も、給付金を受けるために作成することだってできてしまうでしょう。
そのうちインターネットでは、
「こんな風に申請したら無事もらえました!」
なんて情報があちこちに出回るのではないかと思います。
(すでに出回りつつあるかもしれませんが…)
また以前のブログ『【持続化給付金】申請代行による成功報酬ぼったくりにご注意を』
でも記載した通り、給付金を受けるためのノウハウを提供するビジネスが横行する
可能性もあるのではないかと思っています。
今回の給付金制度は勿論税金をもって賄われているため、
このような政策が拡充されればされるほど将来の国民の増税は免れられません。
給付金を貰おうが貰ってなかろうが同じように増税されるのであれば、
強引にでも貰っておいた方がマシだと考える人もいることでしょう。
国として限られた予算であるからこそ、そのお金を本当に必要としている人へ
届けることを重視してほしいし、そこから外れることがないように
意識してもらいたいなと思います。
給付金払い出しのスピードを上げるためには、要件を簡素化することが求められますが、
現状ではある業種にとっては非常に緩く、
ある業種にとっては非常にハードルの高い制度となっています。
勿論それを解消していくことは簡単ではないのですが、
不正営業により自粛している日本郵便の社員が申請できるようでは
さすがに国民も納得もできませんよね。
今回の給付金対象の拡充も、世間ではどのように捉えられているのか気になるところです。
ちなみに個人の不動産オーナーは依然として給付金対象外です。
この辺りも謎ですね…。
最後に
今日は持続化給付金制度の拡充についてお話ししました。
また申請手続き等の詳細が確定しましたら、改めてご案内いたします。
緊急事態宣言も解除され、街中では人が戻ってきているところもあるようですね。
政府の支援制度はともかく、感染者数の抑え込みが一番大事ですから
経済活動とうまく両立できる社会が成り立っていくことが望まれます。
もうみんなコロナにはうんざりしてますからね。
では今日もお読み頂きありがとうございました。
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