マネーフォワードやfreeeののユーザーは非常に増えてきたと感じています。
特に年齢が若い個人事業主やフリーランスの方々が
クラウド会計を利用している割合は非常に高く、
クラウドサービス自体の発展を実感できる瞬間でもあります。
しかしクラウド会計は便利なサービスである一方、
誰でも簡単に、そして正確に会計処理ができるものではありません。
今回は「クラウド会計の在り方」についてお話しします。
クラウド会計は決して”全自動”や”万能”ではない
結論から言いますと、クラウド会計は簿記や会計、税務の知識を前提としています。
これらの知識は専門家レベルである必要はないかもしれませんが、
簿記や税法が全く分かっていない方では使いこなすことはできないものだと感じています。
おそらく”それらしい会計処理”をして、
最終的に”それらしい確定申告書”を作ることはできるでしょうが、
要点を抑えた適切な処理を行うことはとても困難なはず。
完璧じゃなくても、最低限の体裁が整っていれば十分では?
と思う方もいるかもしれませんが、
会計や税務を理解していないからこそ損をしてしまう場合も少なくないのです。
- 売上の計上するタイミングが正しくない
- 未払いで計上できるものがされておらず、税負担が増加してしまっている
- 二重仕訳になる理屈がわからず、「無視」や「対象外」の使い方が間違っている
- 経費で落とせるものを計上せずに税金を余分に払っている
- 事業で使用する建物や車などの減価償却費を計上できていない
ざっと挙げただけでも色々な見落としが考えられますし、
実際にそのような会計データをたくさん目にしてきました。
クラウド会計は、このような見落としに対して注意喚起をするような存在ではないのです。
最低限の知識を身につけるか、一度は専門家の目を通すことが理想
これまでお伝えしたような理由から、必要最低限の税務会計の知識を身につけるか、
顧問契約まではしないまでも、一度は専門家にチェックをしてもらう工程が
必要ではないかと私自身は感じています。
幸いなことにクラウド会計では「招待制度」によってデータ共有も簡単に行えるため、
- 自分自身の処理方法に誤りがないか
- 売上や経費の計上基準に間違いはないか
このようなことを中心にアドバイスをもらってみてもいいかと思います。
何年も間違った処理を続けてしまえば、
気づかないうちに様々なリスクを背負っている場合もありますので、
クラウド会計は万能ではないことを理解した上で、
正しく扱うための方法を検討することをお勧めします。
クラウド会計は”税理士いらず”のサービスではなく、
むしろ”税理士向け”のサービスである
クラウド会計は税理士資格を脅かす存在のように言われることも多いですが、
私はそのような認識は誤りだと思っています。
お伝えしたようにクラウド会計は、
少なくとも現時点では税務や会計の基本的な知識が備わっていないと使いこなせず、
誰でも使いこなせるような「万能さ」や
AIがすべて処理できるような「全自動」の機能は有していないためです。
反対に税務や会計の知識を持つ人にとっては、
これまで手入力で処理していた仕訳入力が自動化されるなど、
処理工数の大幅な削減を図ることができ、生産性向上が期待できると思います。
ポイント
そうすれば記帳代行にかけていた時間が節約され、
よりクリエイティブで顧問先にとって有益なサービスの提供が可能となっていくはず。
つまり私としては、税理士や税理士事務所の職員のような人たちが
誰よりもクラウド会計の恩恵を受けられる存在であると感じています。
最後に
今回は「クラウド会計=万能、全自動」という認識が誤りであることをお話ししました。
知識のある方にとっては便利なサービスであることは間違いありませんが、
誰でも正確に使いこなせる代物ではないと感じています。
ご参考頂けたら嬉しいです。
それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
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